経営者も、従業員も、100%納得できる人事制度のつくり方をお伝えします!

連載コラム 「人事制度は業績向上の仕組みだ!」600社を超える企業の人事制度づくりを支援してきた、株式会社ENTOENTO代表取締役 松本順市氏が、これまでの経験をもとに、業績向上に繋がる人事制度をつくるヒントをご紹介するコラムです。
松本順市氏:連載コラム「甘辛調整はやめてください」

評価は通常 本人評価 → 上司評価 という手順で行います。
ところが現実には、これで終わりません。
社長が上司結果を調整しているからです。

なぜ社長が調整しているかお分かりの方も多いでしょう。
そのときの社長の心境は、こうです。

「ああ、この評価結果では処遇を決められない。Aさんが40点?全く……B部長は辛すぎる。80点は取っているだろうに。Cさん……85点?!どこを見てるんだD部長は。70点!」

まあ、一般的に言うところの甘辛調整です。

このように総合点数で評価を調整してしまったものは、社員本人へはフィードバックできません。

不思議に思われますか?
  それは上司の部下に対するフィードバックの場面を想像してもらえばわかります。

上司「今回のあなたの評価結果は、最終的に60点です」

多分、部下は聞きたいでしょう。

「では、評価要素は具体的にそれぞれ何点だったのでしょうか。どこの評価要素をどのように努力したら点数を上げることができますか?」

上司は答えることはできません。合計点数で甘辛調整されてしまったので、どの評価要素が何点なのかわからないからです。

本来であれば、フィードバックの席では上司が部下の評価について説明し、次の3カ月間の目標を設定し、どうしたらそれが実現できるか実行計画をプランニングする場所なのです。
  それができない。致命的な評価制度の欠陥です。

そして、部下が知ることが1つあります。

「私の評価は上司が決めているのではないらしい。どうやら社長が決めているようだ。そして社長の評価によって、賞与が決まっている」

今後は直属の上司の評価と指導は意味がなくなります。こうして組織は静かに崩壊してゆくのです。

ですから甘辛調整はやめていただきたいのです。